私達夫婦はアメリカに住んでいました。猫を飼い始めようと思ったきっかけはある掲示板を見たからです。ある夫婦が妊娠してから猫アレルギーになってしまい、猫二匹を里子に出したいとの事でした。早速連絡を取り引き取ることになりました。始めてお家に来た時はゲージから中々出て来なくて辛抱強く待ちました。その日の夜にやっとご飯を食べに出てきてくれた時は嬉しかったです。月日が経つにつれ段々と慣れてきてくれました。撫でるとグルグルと喉を鳴らします。可愛いくて仕方がない。爪を切る時は嫌がり引っかかれ格闘しました。
そんなこんなで慣れてきた頃、日本に帰る事が決まり、この子達の過酷な旅が始まります。猫を日本へ入国させるには数々の試練があり、ワクチンを数回にわたり摂取する事。マイクロチップの埋め込み、そしてそれらの証明書の提出。英語で全てやり取りをして、とても大変な苦労でした。それぞれ期限も決められている為、帰国の数ヶ月前から準備しなければなりませんでした。しかし、それよりも大変なのは猫達の移動です。飛行機の貨物室に入れられるのです。
それぞれゲージに入れトイレシートを敷いて、その上に少しでも寒くないようにタオルや毛布を入れました。心配で堪りませんでしたが、なんとか無事日本に到着。本当に良かったです。日本での暮らしにも慣れ元気に暮らしました。5年前相次いで、12年という短い生涯を終えました。寂しくて悲しくて、思い出が沢山あります。寝てる顔の上にジャンプされた事、影を必死に追いかけてた事、缶詰を開ける音で我を忘れるほど走る回った事。ゲージを出すと病院に連れて行かれる!と逃げ回った事。布団に潜って一緒に寝た事。ずっと忘れないよ。毎年命日にはお墓参りに必ず行っています。