“これは職場の上司が実際に遭遇した出来事なのですが…。
上司には小学生低学年の子どもが居ます。いつぞやの冬の夜に、上司は子どもを連れて車で出かけたそうです。ちょっとした用だったのですが、家に一人子どもを置いていくことを躊躇い一緒に連れて行った結果エライことになりました。目的地に着いた後、上司は車のエンジンを切り、子どもを車の中でおとなしくするように言いつけて所用を済ませるために車外へ出ました。そうしてしばらくした後、子どもが自分を追いかけて車外から出てきてしまったのです。間が悪いことに、上司は車の鍵を車内に置きっぱなしにしており、所有していた車はオートロック式でした。真冬の夜に、車から締め出しを食らった子どもと上司。専門職の方に連絡して開けてもらえることは出来るでしょうが、鍵を一つ開けるだけで結構な金額が飛ぶことになります。ましてや今は夜。時間外手当などもかかるかもしれません。
それで結局どうしたんですか?と私が聞くと、上司はこう言いました。
日ごろの行いが良かったのか、持つべきものは友人というべきか、知り合いにそういった職種の方が居たそうです。それを思い出した上司は友人に連絡を取り、その友人はすぐに駆けつけてくれたそうです。その際に「本当はやっちゃ駄目なんだけどねー」と笑いながら言っていたとか。そうして無事に鍵が開いた車に乗り込み、友人に「助かったで。今度何か奢るわ!」と声をかけつつ帰路についたとのこと。
ちなみに上司は子どもに対しては怒ったりは一切しなかったそうです。元々自分が鍵を持っていればよかっただけの話なので、子どもを怒るのは筋違いだと言っていました。今も上司はいい父親として家庭でも仕事場でも重宝されているそうな。”